ふく翁 〜百歳以上の森の賢者〜
jinsei-shippitsu
ふく翁の『人生執筆』
ホップは、森の中でもひときわ元気なリスの少年。
木々の間をぴょんぴょん飛び回り、
だれよりも早く季節の匂いを見つけてくる“風の子”。
ふく翁の記憶書庫にもよく遊びに来ては、
「ねえねえ、ふく翁じいちゃん、今日どこ行く?」
といつも走り寄ってきます。

やっほー!ぼくはホップ!
よろしくね!
ホップは10歳のリスの少年。
考えるよりも早く走り出してしまうけれど、
その分、だれよりもまっすぐで、
だれよりも勇気のある心を持っています。
母とふたり暮らし。
幼い頃、戦で英雄的に亡くなった父のことを、
ホップは誇りに思っています。
落ち込む友だちがいれば、いちばんに駆けつける。
新しいことがあれば、まっさきに飛び込む。
ふく翁はそんなホップを、
「ほっほ、風の子じゃのう」
と、いつも目を細めて見ています。
ホップの一日は、とにかく“動く”ことから始まります。
朝は木の上から太陽がのぼるのを見て、
昼はどんぐりの道を駆け抜け、
夕方にはミミやムアと森で遊び、
夜は母の作るあたたかいスープを飲んで眠ります。
落ち込みやすいミミの手を引いたり、
慎重すぎるムアの背中を押したり──
ホップは森の仲間たちの“最初の一歩”を作る存在です。
ホップは、ふく翁の書庫に入り浸る常連。
ふく翁のゆっくりした語りを聞くと、
どんなに落ち込んだ日でも不思議と元気を取り戻します。
ふく翁が静かに言う言葉──
「走り出す勇気は、お主の宝じゃよ」
その言葉は、ホップの胸にずっと灯っています。
ホップは、
「一歩踏み出すことの大切さ」を体で示してくれる存在です。
あなたがなにかに迷っているとき、
人生が重く感じられるとき、
ホップはきっと言うでしょう。

なにモタモタしてるの!すぐに行こう!
人生が終わっちゃうよ!